「甘いものに対する欲求があまりないんです。」とお話しすると大概の方に「じゃあなんでお菓子屋さんに??」と聞かれます。
「ケーキ食べたい」「チョコレート食べたい」と思わない私がなぜお菓子屋さんになりたくなったかというストーリーです。
お菓子屋さんになりたいと思い始めたのは一言で言えば間違いなく母の影響でしょう。
あまり裕福な家庭ではなかったと思いますが、母曰く「離乳食は桃やリンゴをすりおろしたものを食べさせていた。」という幼少期。
もちろんその味を覚えている訳ではありませんが、素材へのこだわりはこのころ潜在的に植え付けられていたものかもしれません。
私が小学校3年生くらいだったか正社員として働き始めた母ですが、朝4時起きしてよくパウンドケーキを焼いてくれました。(今思うとすごいことです。)
その頃パウンドケーキは翌日のほうがしっとりしておいしいということも知らずに「焼き立てほかほかでおいしいね♪」と妹と朝食代わりに頬張っていた記憶があります。
母は務めていた会社の上司から「かーちゃん(母の事)、これ売れるよ!」と言われたと嬉しそうにしていました。
母方の祖父母は福島県いわき市勿来にある小さな漁港で漁師をしていました。
祖母の一番下の弟(私にとって大叔父)は畑で採れた柿やすもも・猟銃で仕留めた鴨・川で捕った小魚の佃煮・山で採れた筍や蕨を、一番下の妹(私にとって大叔母)は福島の桃や梨を毎年季節ごとに送ってくれました。
母や祖父母、親戚のおかげで幼い頃から新鮮でおいしいものを食べて育った私。
もちろん若い頃はファーストフードやスナック菓子も大好きでしたが食に携わる仕事に就く今、記憶のないうちに与えられた味覚が宝物となっていると感じています。
ちなみに母の友達から「子供たちへ」といただいた飴玉やキャラメル・チョコレートは、私達姉妹にはわからないように捨てていたそうです(;・∀・)
(虫歯や肥満、性格への影響を防ぐためとか・・・)
甘いものへの欲求がないのは間違いなくこの為でしょう。
甘いものが好きではない私でもおいしいと思えるお菓子。
舌から脳へ伝わる快楽的なおいしさではなく、お菓子の背景にある素材の作り手や私の想いから心が満たされるおいしさのお菓子を今後も作っていきたいと思います。
現在大和市で和の素材を使用した焼き菓子と記念日ケーキのお店を準備中です。